


ホンダ・レーシング・サンクス・デイ【もてぎ】フォト&レポート
<US-RACING>
毎年恒例のホンダ・レーシング・サンクス・デイが、今年もツインリンクもてぎで行われた。一日を通して気温は10度と冷え込んでいたが、朝から大勢の人がつめかけ、昨年を1,000人上回る28,500人のホンダ・ファンがもてぎに訪れた。午前8時半からすでにロードコースやオーバルコースだけではなく、ツインリンクもてぎのいたるところでイベントが行われていたが、10時30分のオープニング・セレモニーによって、本格的にサンクス・デイの幕が明ける。セレモニーではMotoGPで戦う中野真矢選手がホンダ・レーシングの選手を代表し、今年応援してくれたファンに向かって感謝のスピーチを行った。
コース内では終日四輪、二輪のマシンが走行しており、二輪のASEANカップや、スーパーGTのNSXによるスペシャル・レース、全日本ロード・レース選手権のエキシビション・レースも行われ、ファンを沸かせていた。毎年恒例のヒストリック・マシンによるデモ走行もあり、RA272やRA301といった往年の名車がコースを駆け抜けた。そのなかでも人気を集めていたのは、やはり最新のフォーミュラ・マシンによる走行で、F1からはホンダ・レーシングのジェンソン・バトンとスーパー・アグリの佐藤琢磨、そしてインディカーからはアンドレッティ・グリーン・レーシングの武藤英紀が走行した。武藤にとっては新チームと新カラーリングとなったマシンを初めてファンに披露することになった。
イベントの合間にはドライバーによるサイン会とトークショーが行われ、こちらも大盛況。世界を転戦するホンダ・レーシングのドライバーとライダーが一堂に会する年に一度の機会を逃すまいと、会場には人がどっと押し寄せた。トークショーでもステージの前にずらりと人が並び、普段では聞けないレースの裏舞台や来シーズンへの抱負に耳を傾けていた。
ホンダの歴史を体感できるホンダ・コレクション・ホールでは、今回の目玉として1988年にアイルトン・セナが始めてF1のワールド・チャンピオンに輝いたマクラーレンMP4/4ホンダと、1987年にワイン・ガードナーがWGPのチャンピオンを獲得したホンダNSR500が、カウルレスで展示されていた。3階のレーシング・カーが展示されているスペースには、もちろんインディカーも展示され、2004年にホンダが初めてインディ500を制したバディ・ライスのマシンが、ホンダ・インディV8エンジンとともに、誇らしげに飾られていた。
イベント終盤に行われた最高峰パフォーマンスにも、バトンや佐藤とともに武藤が登場。F1マシンの甲高いNAサウンドとは違う野太いインディV8サウンドを響かせ、ハイスピードでもてぎのオーバルを駆け抜ける。パフォーマンス中にはF1の2台と並んでスタンディング・スタートを見せるなどのファンサービスを行い、28,500人の大観衆から声援を受けていた。
午後3時40分からはイベントを締めくくるファイナルパレードが行われた。まずジェンソン・バトンと佐藤琢磨が、もてぎのロードコースを周回。佐藤琢磨のスーパーアグリSA07は非公式ながら、フォーミュラ・ニッポンの公式レコードを5秒近く上回る1分28秒台の驚異的なタイムをマークしてみせた。それからF1の2台がスーパー・スピードウェイに移り、武藤英紀のインディカー、GTマシンやバイクも加わってオーバルコースをゆっくりとパレードする。最後は今日走行した現役マシンがホームストレート上に並び、一斉にエンジンを吹かしてホンダ・ミュージックをもてぎに轟かせ、サンクス・デイの幕が閉じた。グランド・スタンドからは今シーズン活躍した選手に対し、惜しみない拍手が送られていた。これで2007年のレース・シーズンもとうとう見納めになってしまうが、2008年もホンダ・レーシングの活躍に期待しよう。
