


ド・フェラン・モータースポーツがLMP2クラス5位でフィニッシュ
<Honda>
アメリカン・ルマン・シリーズ第10戦ロードアトランタ
■開催日 : 10月4日(土)
■開催地 : ジョージア州ブラセルトン
■サーキット : ロードアトランタ
■コース全長 : 4.0km
アメリカン・ルマン・シリーズ第10戦が4日(土)にロードアトランタで開催され、アキュラ勢が不運に見舞われた中、#66 パナソニックELSサラウンド・アキュラ(ド・フェラン・モータースポーツ)を駆るジル・ド・フェラン/スコット・ディクソン/サイモン・ペジノ組が、LMP2クラス5位でフィニッシュした。
今季のLMP2クラスタイトルをかけた1,000マイルに及んだ耐久レースはクラッシュが頻発するレースとなった。ペンスキーチームの3台のマシンに対してチャレンジした4台のアキュラは、12のコーナーを配す1周2.54マイルのタイトなロードコースで10時間を戦う準備ができていたが、度重なるトラブルに苦戦を強いられた。
ド・フェラン・モータースポーツは、オーバーステアの強いボディ、イグニッションの故障、レース序盤のスピンに見舞われながらも、5位でフィニッシュ。ド・フェランが最初の3時間20分を走り、その後マシンを託された今年のIndy500覇者で、IndyCarシリーズチャンピオンのディクソンとペジノは共に3時間以上を走り切った。
#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラ(パトロン・ハイクロフト・レーシング)を駆るスコット・シャープ/デイビッド・ブラバム/ダリオ・フランキッティ組は、レース最初の1時間でシャープが第11コーナーでインサイドの壁に衝突したダメージでリタイアを余儀なくされた。
また、#15 ロウズ・アキュラ(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)を駆るエイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス/ミシェル・ジョルダイン・ジュニア組はトップ5で6時間を走るレースを展開したが、ディアスが第3コーナーで周回遅れのGTマシンに接触され、リアサスペンションにダメージを負いレース中盤にリタイア。
そして、#26 XMサテライトラジオ・アキュラ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)を駆るフランク・モンタニー/トニー・カナーン/マルコ・アンドレッティ組は、モンタニーが4番手から2番手に順位を上げ、自身の最後のピットストップ直前にはレースをリードし、クラス優勝を狙えるポジションにつけていた。しかし、レース終盤に第12コーナーでインタースポーツ・レーシングのクラッシュに巻き込まれリタイアを喫した。
最終的に、ライアン・ブリスコー/エリオ・カストロネベス組(ペンスキー・ポルシェ)が伝統のプチ・ルマンを制した。
先月のデトロイトでの素晴らしい1-2-3フィニッシュから一転、アキュラはLMP2クラスのマニュファクチャラータイトル獲得のチャンスを逸した。アキュラは4ポイントをリードしてプチ・ルマンに臨んだが、18日(土)に開催されるラグナセカでの最終戦は、8ポイント差でポルシェを追う展開となった。
■ド・フェラン・モータースポーツ:LMP2クラス5位(総合8位)
サイモン・ペジノ(Simon Pagenaud)
「スコットとチームを組めて楽しかった。彼の存在がチームにもたらしてくれたものは大きい。ナイトレースも楽しむことができた。最後のタイヤセッティングがとても良かった。数回ピットから無線があり、クラッシュは回避したが、マシンの残骸を走り抜けた際、タイヤがパンクしたと思った。しかし結局、チームにとって良い結果となった。初めての耐久レースで多くのことを学んだ。セブリングと来年に向けた良い機会となった」
ジル・ド・フェラン(Gil de Ferran)
「最初のスティントは難しかった。十分なダウンフォースがない状態でスタートし、バランスに影響するダメージにも耐えなければならず、序盤はとても難しいレースを強いられた。オーバーステアが強く、最終的にスピンし2周遅れとなった。マシンを直し、ダウンフォースを加えたことにより、マシンのハンドリングは改善された。数周遅れたことが残念だ」
スコット・ディクソン(Scott Dixon)
「チーム、ジル、サイモンと充実した時間を過ごせた。アキュラは素晴らしいマシンだ。またセブリングでチームに呼ばれることを期待している。インディとデイトナで優勝したことがあるので、次はセブリングでも勝ちたい。ピットでイグニッションにトラブルがあったが、その後はマシンの調子は良かった。ド・フェランチームの一員としてレースができたことをジルに感謝したい。とても楽しかった」
■アンドレッティ・グリーン・レーシング: LMP2クラス7位(総合16位)
フランク・モンタニー(Franck Montagny)
「左右両側でマシンがスピンし、接触を避けるためにその2台の間を抜こうとしたが、破損したパーツの破片の衝突を受け、フロントサスペンションが壊れてしまいどうすることもできなかった。終盤でLMP2クラス優勝争いができるチャンスがあっただけに、不運としか言いようがない。週末を通してチームはよく働いてくれた。土曜日の朝、マシンにトラブルが発生したが、予選に向けて修復し、トニーとマルコと私に素晴らしいマシンを準備してくれた」
トニー・カナーン(Tony Kanaan)
「簡単なレースではなかった。ジムで何時間も費やしたことが報われた。楽しめたレースだったが、タフなレースだった。レースがスタートした時、20周のレースか10時間のレースか考えてしまった。ポルシェのマシンとよい戦いができた。直線では彼らの方が少し速かったが、コーナーでは我々が優った。混戦を強みにして、終盤で戦術を生かすことが課題だ。ポルシェのマシンはピットストップで毎回タイヤ交換をしなければならないが、我々は必要なく、ピットストップ時に時間を稼げるはずだ」
マルコ・アンドレッティ(Marco Andretti)
「マシンはとても良かっただけに不運なレースだった。我々にはレース終盤にベストポジションで走ることができる戦術がある。優勝できるマシンだったが難しいレースだった」
■ロウズ・フェルナンデス・レーシング:LMP2クラス8位(総合26位)
エイドリアン・フェルナンデス(Adrian Fernandez)
「ルイスのアクシデントは不運だった。混戦はとても難しかった。我々ドライバーはマシンの調子を保つことに苦戦していて、かろうじてリードラップを刻んでいただけに、暗くなってからマシンがベストの状態であることを望んでいた。多くのドライバーがリタイヤを余儀なくされ、マシンに多くのダメージを受けたレースだった。混戦での対処がこのシリーズでは最も難しい。今日はその混戦に悩まされた。今季はタフなシーズンとなっている。残り今季1戦となったが、来季に向けて勝たなければならない」
ルイス・ディアス(Luis Diaz)
「個人的にとても不運なレースだった。力強いマシンを準備してくれたチームに申し訳なく思う。タイミングが悪くフェラーリと接触してしまった。とても残念だ。次戦では良いレースをしたい」
ミシェル・ジョルダイン・ジュニア(Michel Jourdain Jr.)
「誰にでも起こり得ただけに、ルイスの接触は不運だった。混戦を走るのに今までで最も難しいコースだった。自分のスティントの序盤の混戦で守りに入ってしまい、タイムをロスした。他のマシンとの混戦が続くと思ったが、後れをとった。初優勝を期待していたが、エイドリアンがコメントしたように、今日のマシンにはスピードがなく、混戦を一層難しくした。数週間後のラグナでチームがうまく機能してほしい。今日のレースを終えて、来年のセブリングに向け、良い課題ができたと思う」
■ハイクロフト・レーシング: LMP2クラス9位(総合37位)
デイビッド・ブラバム(David Brabham)
「チームがマシンの修理に全力を尽くしてくれただけに、結果がとても残念だ。スコットの走りは素晴らしく、全てがうまく行きそうだった。今、チーム関係者は皆落胆しているが、今季最終戦の勝利に向けてマシンを修復し、より強いチームにならなければならない」
スコット・シャープ(Scott Sharp)
「マシンの調子は良かった。落ち着いて混戦を回避しようとしていたが、第10Aコーナーで減速した。難しいコーナーではなかったが、マシンがスピンしインサイドの壁に衝突した。何かが壊れたか、タイヤの空気が抜けたか分からないが、とても奇妙で経験のない感覚だった。チームにとってタフな1日となった。木曜日のクラッシュ後、チームはマシンの修復に尽力してくれたが、このレースでの故障で更に課題ができた」
ダリオ・フランキッティ(Dario Franchitti)
「パトロン・ハイクロフト・アキュラで走ることをとても楽しみにしていたので、レース序盤でのリタイアは残念だが、アメリカン・ルマン・シリーズに戻ってこられたことを嬉しく思う。初めて弟のマリノと戦えることを楽しみにしていたが、今日は機会を逃した」
