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2009/10/24  6:38 am

実際に使って解かったプッシュtoパスの有効性


インディカー・シリーズの全スケジュールが終了し、スポーツカーのALMSやGRAND AMシリーズも閉幕。アメリカで行われているメジャー・レースは、NASCARが残り5戦となってしまいました。週末はレース観戦でテレビに釘付けだったのが、今はNASCARのレースだけとなってしまっているので、インディカー・シーズンが開幕するまでは退屈な週末になりそうです・・・。

しかし、今年はCARTやF1で活躍していたファン・パブロ(モントーヤ)がNASCARで大活躍しているので、ぜひ残りのオーバル・レースで優勝して欲しいと願っています! NASCARに転向してもしっかりと周りに認められて実力が発揮できているファン・パブロは「さすがだな!」と尊敬するドライバーです。

さてインディカー・シーズンは終わってしまいましたが、今回のコラムでは今シーズンを振り返ってみて、途中のルール変更でレース展開をおもしろくしたホンダのプッシュtoパス・ボタンのことをご紹介したいと思います。



すでにご存知だと思いますが、オーバルのレースでは1回につき20秒間のパワー・アップを、合計で15回使用することができます。常にフル・スロットルで戦うようなハイ・バンクのスーパースピードウェイでは、サイド・バイ・サイドのバトルやオーバーテークが増え、レースを見ていても非常に楽しい展開になりましたね。



このプッシュtoパスのボタンはドライバーの好みによって、ハンドルの表側にボタンとして装着している場合や、ハンドルの裏側にあるパドルを使って操作することもあります。アクセル全開でのコーナリング中はハンドルを握ったまま指を動かすのが難しいので、パドルで操作する方が楽な場合もあるのですが、誤ってギヤ・チェンジ用のパドル・シフトを操作してしまうことを恐れ、ボタンにしているドライバーも多いのです。

このシステムは練習走行中に1回だけ試すことができ、プッシュtoパスを押すことによって、エンジンのレブリミット(最高回転数)が200rpm上昇。この1回でトップのギヤ比の選択や、コースのどの辺りでボタンを押すかを見極めます。たった1回しか試せないので、有効的に使わないとレース用のデータが取れなくなってしまいます。



ちなみに、僕はインディ・ジャパンの予選前のプラクティスで、プッシュtoパス・ボタンを試しました。ターン4の立ち上がりでボタンを押したら、なんだかモタモタしはじめて、「ん・・・むしろパワー・ダウンでは?!?」という現象がおきました。

後でホンダのエンジニアに聞いたら、プッシュtoパスのメカニズムの一環として発電用のオルタネーターを停止させるので、9500rpm〜9600rpm以下に回転数が下がってしまうとパワーが落ちるとのこと。要するに、エンジンがピークパワーを発生している10000rpm以上でボタンを押すことが、一番有効的な使い方になるのです。

ギヤ比の組み合わせにもよっても変わります。僕のインディ・ジャパンのマシンの場合はターン4を4速で立ち上がるので、5速にシフト・アップする直前にプッシュtoパスのボタンを押すことによって、ターン3に進入する寸前までプッシュtoパスが機能していました。そうすることで常にアクセル全開のまま、エンジンを高回転域で機能させることができるのです。

そんなことを知らずに、無駄にプッシュtoパスを使ってしまった僕はちょっとがっかり・・・。アメリカでは「learn from mistake」とよく言いますが、過ちから得た収穫はレースの時になって、逆にプラスになったと思います。今はしっかり押すタイミングを極めていますからね!(笑)

プッシュtoパスを使用できる残りの回数は、常にハンドルのダッシュに表示されています。ボタンを押すと、機能している間の20〜0秒までカウント・ダウン。一度プッシュtoパスを使用してしまうと、終わってから10秒間は機能しないので、今度はダッシュ上に0〜10秒までカウント・アップされて、また使用できるようになると残りの回数が表示されます。このあたりの表示設定もチームやドライバーの好みで、色々と変更ができるシステムになっているようです。



ドライバーの性格によって、レース序盤から思いっきりボタンを使う選手もいれば、後半まで温存しておくドライバーもいます。僕は、レース後半まで残して勝負をかけるタイプですが、ダニカ(パトリック)は最初からガンガン使うタイプみたいですね。食事の際に好きなおかずを最初に食べるか、最後まで残しておくかを見れば、どっちのタイプかわかったりして!?!(笑)

プッシュtoパスを押すことによって、エンジンのレブリミットが10500rpmまで引き上がります。そのプラス200rpmを有効に使えるギヤ比設定にしておかないと、ストレートで思ったほどスピードが伸びず、宝の持ち腐れとなってしまう場合があるのです。

エンジニアとしては、全開で走っている時のギヤ比、燃費セーブ・モードのギヤ比、そしてプッシュtoパスを押した場合のギヤ比など、色々なシナリオを考えてギヤを組み合わせなくてはいけません。足回りのセッティング以上に、最後までエンジニアとして悩むポイントです。当然、その日の温度や風向きでもギヤ比の設定が変わり、時にはレースを左右する大事なキーポイントとなることもあります。目に見えない部分ですが、常にハイスピードでバトルをするオーバル・レースでは、重要なツールと言えるでしょう。



シーズンを通してオーバルのレースで強かったペンスキーとガナッシの秘訣は、マシンのバランスの良さもあったと思いますが、マシン・セットとコンディションに合わせたギヤ比の設定を、シミュレーションの段階で正確に割り当てることができたからだとも言えます。

今回はプッシュtoパスについて書きましたが、今後も色々とインディカーの細かい部分をご紹介していきたいと思います。もっとこういうことが知りたいというリクエストがありましたら、ぜひ webmaster@us-racing.net の方へご連絡ください! 

ずっとインディカーに関わっている僕としては当たり前のことでも、ファンのみなさんにとってはものすごく疑問なところもいっぱいあると思います。リクエストお待ちしております!!



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