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2010/10/19  6:00 pm

最終戦でウィル・パワーが犯してしまったミスとは


ホームステッド-マイアミで行なわれた2010年インディカー・シリーズ最終戦から早2週間。シーズンが終わってようやく落ち着いてホッとしている反面、次のレースまで4ヶ月以上もあると思うと、なんだか寂しいですね。

最終戦で奇跡的な大逆転を見せ、2年連続でチャンピオンを獲得したダリオ・フランキッティ。ベテランらしい大人の走りでタイトルをモノにし、インディカー・シリーズでチャンピオンを獲るには安定した走りと、オーバルでの強さが必要だということをあらためて証明してくれました。

今回のコラムは劇的なエンディングとなった最終戦で、ウィル・パワーがなぜあのようなミスを犯してしまったのか、僕なりに検証してみたいと思います。



まず予選でポール・ポジションを獲得したのは、12ポイント差でランキング・トップのウィルを追うダリオでした。ここ数年1.5マイル・オーバルを得意としていたチップ・ガナッシ勢ですが、今シーズンはペンスキーに劣ることが多かったので、予選でのワンツー獲得に彼らの最終戦にかける気合を十分に感じとることができましたね。



一方、オーバルでまだ勝ち星のないウィルは予選3位を獲得。シーズン後半戦のオーバル・レースで上位争いを見せながら、なかなか優勝することができなかった彼にとって、相当フラストレーションが溜まる予選結果だったはずです。ポールのダリオが1点追加して11ポイント差のマージンとなり、ダリオのレース内容次第では最低でも2位でゴールしないと、逆転されてしまう恐れが出てきたからです。プラクティス総合ではウィルがトップ・スピードをマークしていたので、どちらがチャンピオンの座に輝くのか、レースが始まるまではほんとうにわかりませんでした。



決勝は現地時間の19時にスタート。10月に入って日が傾くのも早く、レースがスタートしてからあっという間に暗くなっていきます。最終戦が行なわれたホームステッド-マイアミ・スピードウェイは、2003年末にバンク角を大きくした際の舗装から8年も経過し、路面の細かいバンプが多くなってグリップ・レベルも徐々に低下。数年前までは僕の中で“オーバルのレースを制するためにはハイ・サイドを極めろ!”といった持論があったのですが、最近のトレンド(特にマイアミ)としてはロー・サイド(イン側のライン)で安定したマシンで戦わないと、勝つことが難しくなっています。



シンプルにイン側のロー・サイドだけを走り続けるということは、最短の走行距離を走るので有利ですが、その反面、とても難しいということを覚えておいてください。前車がいてタービュランスが発生するとロー・サイドの方が酷く、マシンの安定性が極端に低くなります。また、燃料の消費による重量変化やタイヤの磨耗、周回遅れの影響などからスティント全体を通して安定したマシンにすることも難しく、どうしても経験豊富なドライバーやチームが有利なのは言うまでもありません。

今回、レース開始直後からベテランのフランキッティがレースを引っ張る形で進んでいきました。単独走行の予選で圧倒的な走りを見せた彼は、前車のエアの影響がない先頭で快調にレースをリード。片や、イン側3番グリッドからスタートしたウィルはマシンが安定していない様子で、徐々に9番手まで後退しました。その後、一回目のピットを終えて一時12番手まで沈んでいたウィルが、徐々にアグレッシブな追い上げを見せていきます。マシンの調整がうまくいったのでしょう、ハイ・サイドからどんどんライバルをパス。ここに落とし穴があったのです。



やっとハイ・サイドで安定して走れるマシンとなったウィルは、当然のことながら不安定なロー・サイドではなく、常にハイ・サイドへマシンを持っていこうとします。それに、彼の過去のオーバル・レースを見る限り、そのほとんどがアウト側からのパスで、ダリオやスコット・ディクソンのようにロー・サイドで戦うだけの経験が不足していました。118周を過ぎ、ダリオが最多リードラップを獲って2ポイント追加したことに気づいた時点で、ウィルはハイ・サイドに行かなければならない理由がすべて揃った・・・というよりも、もはやそうするしか手が無かったということでしょう。

135ラップ目、結果的にタイトルを逃すことになる悪夢が現実のものとなってしまいます。ウィルはターン3への進入で周回遅れに迫っていた際に、一瞬ダウンフォースを失い、ほんの少しアウト側へ膨らんだマシンは容赦なくマーブル(タイヤカス)の餌食に。ターン4の壁と接触した映像ではそれほど大きなダメージを受けたように見えなかったのですが、右側のサスペンション・ダメージは予想以上でした。チーム・ペンスキーの懸命な修復作業によってコースに戻ったものの、まさかのリタイアを余儀なくされたのです。



これでダリオは基本的にトップ10に入ればチャンピオンを獲得できると知り、危なげない走りで8位フィニッシュ。みごと3度目のタイトルを獲得しました。シーズンを通してランキング首位を守ってきたウィルにとっては、悔やんでも悔やみきれないレース内容になったと思います。ハイ・サイドで走れるマシンを得た安心感が一瞬のミスを招いたのか、取り返しのつかない決定的なアクシデントになってしまいました。

ソノマで行なわれたロード・コース最終戦の時点で、2番手のダリオに59ポイントもの大差をつけていただけに、ウィルがそのままタイトルを獲るだろうとほとんどの人は思っていたでしょう。確かに勝ち星だけでは5勝したウィルのほうが上ですが、そのすべてがロード&ストリートのレースでした。ダリオは3勝ですが、オーバル(インディ500、シカゴ)とロード(ミドオハイオ)の両方を制覇。どちらのタイプのコースでもしっかりとポイントを稼ぐことができないと、インディカー・シリーズのタイトルを獲得できないということが、よく解っていただけたと思います。



最終的にガチンコ勝負とはならなかったので、どことなくスッキリしない終わり方だったかもしれません。でも最後のラップまで全力で戦ったすべてのドライバーそれぞれにドラマがあり、タイトル争いもその一部だったと僕は考えています。オーバルのレースというのはシンプルだからこそ奥が深いですし、今回はタイトルを獲得できなかったウィルの側からレースを見ましたが、色んな視点から見ることでさらにおもしろくなると思います。

ということで今シーズンは終わってしまいましたが、シーズン・オフの間も色んな小ネタをだしていきたいと思います。来年の開幕まで、お付き合いよろしくお願いします!



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