


松浦孝亮、3戦連続のルーキー最上位フィニッシュ!
<Super Aguri Fernandez Racing>
3日連続で快晴に恵まれたツインリンクもてぎには昨年を上回る7万6,000人のファンが詰め掛けた。自己ベスト、そしてチームベストの4番グリッドからパナソニックARTA/パノスGフォース・Hondaをスタートさせた松浦孝亮は、トップ5を保ち続ける走りを見せていたが、88周目のターン1でサム・ホーニッシュJr.と接触。右リヤタイヤがエア漏れを起こしたためにピットに入り、ポジションは8位まで下げてしまった。しかし、アクシデ トの影響でハンドリングが悪化する中、コクピット内でロールバーを調整し、次の ピットストップでウイングにも調整を施して粘りの走りを続け、8位でゴールした。優 勝はダン・ウェルドン。Hondaはもてぎ初勝利を飾った。
松浦孝亮、3戦連続のルーキー最上位フィニッシュ!
▽2004年4月17日
■日時:4月17日(決勝)
■開催地:栃木県芳賀郡茂木町
■サーキット:ツインリンクもてぎ スーパースピードウェイ
■コース全長:1.5マイル(1周)、オーバル
■天候/気温:晴れ/24.8℃
3日連続で快晴に恵まれたツインリンクもてぎには昨年を上回る7万6,000人のファンが詰め掛けた。 自己ベスト、そしてチームベストの4番グリッドからパナソニックARTA/パノスGフォース・Hondaをスタートさせた松浦孝亮は、トップ5を保ち続ける走りを見せていたが、88周目のターン1でサム・ホーニッシュJr.と接触。右リヤタイヤがエア漏れを起こしたためにピットに入り、ポジションは8位まで下げてしまった。しかし、アクシデントの影響でハンドリングが悪化する中、コクピット内でロールバーを調整し、次の ピットストップでウイングにも調整を施して粘りの走りを続け、8位でゴールした。優勝はダン・ウェルドン。Hondaはもてぎ初勝利を飾った。ダウンフォースが減らされた2004年用のシャシーでは、ターン3、ターン4を2台が並 んで走り抜けることが困難で、さらに決勝前の2日間とは逆方向に風が吹いていたこともレースを難しくしていた。アクシデントが少なく、全スティントが長い走行となっ たため、今年のもてぎは作戦によるアドバンテージを獲得したり、頻繁なピットストップでマシンの調整を繰り返すという戦い方もしにくいレース展開となった。松浦が駆るパナソニックARTA/パノスGフォース・Hondaは、スタート時のセッティン グが若干アンダーステア寄りだったが、大きな調整を施すことなく安定したタイムで周回を重ねることができた。今年から採用しているパノスGフォースシャシーも今回で 3戦目を迎え、マシンの仕上がりのレベルも非常に高くなったからだ。トップ争いに加わるところまでは行かなかったものの、松浦はトップ5を守り続け、 2スティント目では二人のシリーズチャンピオンを抑えて周回していた。アクシデントがあったために8位でゴールをすることとなった松浦だが、これでデビュー以来3戦連 続のルーキー最上位フィニッシュ。松浦のポイント・スタンディングは13位から3つ上がってトップ10入りする10位となっている。
●松浦孝亮
「アクシデントがなければ……と思うととても悔しい 次のインディでは今回以上にいい走りをしたい」
「走り始めはプッシュが出ていて辛かったんですが、1回目のピットの後はすごくクル マが良くなって、いいペースで走れてました。いい走りができてる時にホーニッシュJr.と当たってしまったんです。あれがなければもう少し上の順位でフィニッシュでき ていたと思うので、今はとても悔しいですね。幸いサスペンションのダメージはそんなに大きくなくて、走り続けることができました。ルーキー最上位の8位でゴールもできたわけですけど、アクシデントがなければ…… と思うと本当に悔しいです。それでも、今回もとてもたくさんの収穫がありました。これで3レース目ですが、僕自身は3レース以上の経験を積むことができていると思い ます。たくさんのファンが見に来てくれてましたし、スポンサーの方々も応援に来てくれました。みんなの声援を感じながら走るのは気持ちが良かったです。もてぎを無事に終えることができた今、次はインディ500です。自分はルーキーで、今年はテストも少なかったんですが、インディではすごく走り込めると思うので、新 しいGフォースのセットアップだとか、チームのコミュニケーションも含めてもっと進めて行きたいと思っています。インディでは今回以上に良い走りが出来ると思います」
●鈴木亜久里チーム代表
「孝亮は勝てるという手ごたえをつかんだと思う」
「途中でぶつかってしまったことはもったいないけれど、そこまでは十分に戦ってい た。結果的に8位に落っこちてしまったけれども、孝亮は十分に行ける、勝てるという手応えをつかんだと思うよ。サーキットのレイアウトに加えて、今年のマシンはダウ ンフォースが減らされてるから、今日のレースではオーバーテイクが少なかった。そうした中で、孝亮はちゃんとレースをやってた。まだ3戦目だけど、上位で争うという レースをやれるようになってきている。ドライバーはこうでなくちゃいけない。アクシデントでサスペンションが少し曲がっちゃったのは残念だったけど、いいレースを したと思うよ。アウトから攻めることにも次第に慣れてきているのが今日のレースでは見られていたし。今後さらに慣れてくれば孝亮は勝てる。とはいえ、まだまだ勉強をしなければならないことはいっぱいある。いろいろなシ ュチエーションや、コースなど。ホームステッドでの1レース目と、今日では、コウスケは別人とも言えるレースをしていた。次のインディはたくさん走る時間もあるし、 もっといろいろと身につけて、今日よりもさらにいいレースを戦ってくれると思う」
●トム・アンダーソン マネージング・ディレクター
「アクシデントの発端はチームのピット作業のロス トップ5を狙える走りを孝亮は実現していた」
「ホーニッシュJr.とのアクシデントは非常に残念だったが、あのアクシデントの発端 となったのはチームのピットストップが遅れたためだった。給油に時間がかかってディクソンやホーニッシュJr.をコウスケの前に出してしまった。あのアクシデントでタ イヤのトウ角度が変わってしまったらしく、ハンドリングが悪化した。トップ5を狙える走りが実現できていただけに残念だ。今日もコウスケは素晴らしい走りを見せてくれた。トップグループからのスタート ではポジションをひとつ落としはしたが、5位を保ち続けていた。今回のレースを戦うことでさらに彼は多くの価値あることを身につけた。テストがほとんどできない今年 のルールにもかかわらず、デビュー3戦目にしてここまでの戦いができるのは、コウスケが素晴らしい才能を持っているからに他ならない。それは去年のシーズンオフが始 まってすぐに行った最初のテストから明らかだった。今日もコウスケは期待どおりのパフォーマンスを発揮してくれた。彼なら今シーズン中に優勝ができる。私はそう信 じている」
