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2011/08/05  12:31 pm

カナダの日本食レストランにおける和食進化論 −トロント後編−


前編に続き日本食レストラン“GINKO”の二晩目をお伝えします。

予選日の取材を終えた私はホテルに戻ってからコースサイドで撮影した際に付着した汚れと汗をシャワーで流し、いそいそとフロア1階へと向かうためにエレベーターに乗った。もちろん行く先は昨晩、美味しいトンカツ丼を食することができた日本食レストラン“GINKO”だ。



昨夜は地ビール、料理以外にも情報収集という名目でウエイトレスと楽しい会話ができたこともあり、今晩もチャンスがあれば再び話すことができるのではといった淡い期待(下心)もあったのだが、お店に入って私を迎えてくれたのはその彼女ではなく、赤い木綿の着物が似合うほっそりとした背の高いウエイトレスだった。

ひとりということを告げると、店の奥にある障子で仕切られた個室のような席に案内された。午後8時を過ぎたばかりだったのだが店内にお客さんは私以外見当たらなく、一抹の寂しさを感じたものの今夜は私ひとりのための貸切り営業だなと思えればうれしくもなる。

案内された席に着き、メニューを持ってきてくれた赤い着物のウエイトレスに早速トロントの隣町ミシサガで造られている2種類のビールのうちのひとつ“オールド・クレディット・アンバー・エール”を注文した。昨晩はライト系の“ペール・ピルスナー”を堪能したので今宵はエール系を味わってみることにした。



昨日のウエイトレスの話ではこのビールも少し甘めとのこと。持ってきてもらったビールをグラスに注ぎ(今宵は手酌)、ビールの泡が少し落ち着いたところでゴク、ゴクっと飲んでみた。

苦味のなかに麦芽の芳醇な味わいとペール・ピルスナー同様、ほんのりとした甘味が口の中に広がり、微弱の炭酸が咽喉を少しだけ刺激していきながら通過していく。「これもうまいな」とつぶやき、ゆっくり味わいながらその茶褐色に輝くビールを堪能しつつ料理のメニューを開いた。

昨晩は撮影を忘れることなくトンカツ丼の写真を押さえたので(実はコンパクトカメラを持っていくのを忘れ、なんとか携帯電話で撮影)、今夜は久しぶりにトンカツ丼以外の料理を選ぶことができるのだが、優柔不断な私としては選択肢が多ければおおいほど何を頼むか迷ってしまうので、人より余計に時間がかかってしまう。

案の定、何を食べようか迷っていると前菜のメニュー項目に“揚げだし豆腐”を発見。ミルウォーキーでは凄いことになっていた“アゲトウフ”だったが、このトロントではどのように出されているのか興味が湧いたのでとりあえず頼むことにした。しかしひとりで揚げだし豆腐を食べたうえに照り焼きチキン、てんぷらなどのコンビネーション弁当ボックス、またはちらし寿司などを頼むと全体的な量が多くなってしまう。

考え抜いた結果、揚げだし豆腐と単品で焼き魚を頼み、ご飯と味噌汁を別にもらってオリジナル・コンビネーション定食にしてしまえばいいのでは? という自分の中で折り合いをつけたのだが、ここでまたひとつ問題が発生。焼き魚の項目に“秋刀魚”と“鯖”といった2種類の魚か表記されていた。

オーダーを聞きに来た赤い着物のウエイトレスに開口一番、揚げだし豆腐を注文したのだが、やはりまだ秋にもなってないのに“秋刀魚”か、旬がいつなのかわからない“鯖”にするのかは決めあぐねていた。しかし私の中で焼き魚というイメージが強かったのは結局“秋刀魚”だったのでそれと一緒にご飯と味噌汁も注文し、あとは料理が目の前に置かれるのを待つだけとなった。



はじめに目の前に置かれたのは揚げだし豆腐だった。器の中に広がる出し汁の中に揚げた豆腐がしっかりとひたされ、定番となる大根おろしと刻み海苔がその揚げた豆腐の上にきちんと乗っている。私の記憶と同じ姿の揚げだし豆腐を久しぶりに見ることができて心から安心していると、今度は秋刀魚の姿焼きとご飯に味噌汁、そしてお新香もお盆に載せられて運ばれてきた。



秋刀魚定食(揚げだし豆腐付き)がここに完成し、それらが目の前に置かれるとカナダのトロントという彼の地でこのような和食が食べられることに感謝せずにはいられなくなり、実に感慨深くなった。

“揚げだし豆腐”はここまで見た目が完璧なのにもかかわらず、実は出し汁がカナダ名産のメイプルシロップだったということもなく、日本の居酒屋等で頂くものと味はほぼ変らなかった。衣に染み込む出し汁の甘さは異国の地に来ている私の心を落ち着かせる。

秋刀魚の姿焼きに関しても秋刀魚の身を開いてから細かい骨をとり、久しぶりに神経をつかった箸の使い方をしているなと実感。添えられた大根おろしに醤油をかけ、カットレモンをしぼって秋刀魚の身に振りかけて味付けをしてから食べてみたが焼き加減も申し分なく、うまい。

カニを食べていると無口になるとよくいうが、秋刀魚の骨を取っているときも同じだ。といってもひとりなので会話を楽しむ相手はいないし、逆に集中できるのであっという間に秋刀魚は骨だけになり、揚げだし豆腐、ご飯や味噌汁、そしてお新香も胃の中に収まると、秋刀魚定食(揚げだし豆腐つき)が盛られていた器たちだけが目の前に残った。

うまかったなあと余韻に浸っていると、赤い着物のウエイトレスがお盆を下げに来て「お茶いりますか?」と聞いてきたので、「はい、お願いします」と答え、これは情報収集のチャンスとばかりに「今日はお客さんが少ないですね」と、お店側としては余計なお世話から会話のキャッチボールを開始。

「お客さん(私)が来る前まではけっこういたんですけどね。急に引いていったんです」と、そのウエイトレスは不思議なことがあるもんだとでもいいたそうに答えた。「土曜日なのにね」と問い返すと「カナダのひとは夏の短い期間を楽しむために週末は家族でキャンプに行ったり、バーベキューをしているらしいですよ」といって器を載せたお盆を下げていった。

お会計を持ってきたときの話では「夏になると週末を家族で過ごす人たちが多いから、外に食べに出る人たちも少なくって7Daysで営業しているレストランでも7月だけ日曜日は休んでいるところが多いんです。うちもそうですけどね」と更なる追加情報をくれた。

ということは「明日は営業していない?」と聞くと「はい、そうなんですよ」と答えてその赤い着物のウエイトレスはレシートとクレジットカードを持っていった。明日も仕事が早く終われば来ようと思っていただけにショックは隠せない。

ウエイトレスがサインを記入するレシートを持ってきたときに「日本のレストランってここ以外にも他にこの辺でありますか?」と聞くと「このホテルのすぐ近くにありますけど、経営者に料理人は日本人じゃないですね」と詳しい情報を教えてくれた。「そうですか。ご馳走様でした」と席を立ち、たぶんその日最後の客となった私は“GINKO”をあとにして部屋へと戻っていった。

結局、翌日の決勝後、ホテルに戻ってきたのは午後10時を回っており、ホテル内や周辺のレストランは営業が終了していた。選択肢もなく到着日に行ったホテル内のバーでチキン・フィンガー(鳥のささみのフライ)を食べてから部屋に戻って残りの仕事に取り掛かったのだが、睡魔との格闘の結果ふっと気がついたら朝になっていた。

トロントはやはりカナダ最大の都市だけに日本人在住率も高い。ダウンタウンにも日本食レストランは数多くあり、1999年から取材にきていているが、そのときに何度かいった日本食レストランのレベルは高かったと思う。

今回はダウンダウンから離れ、空港の近隣にかかわらず、これほど高いレベルの和食が食べられたことはとても幸運だった。来年も来ることができれば、ぜひ、またこのホテルに宿泊し(宿泊費次第だが)、“GINKO”で晩御飯(あわよくばキュートなウエイトレスとの情報交換も)を楽しみにしたいと思うトロントの取材滞在だった。



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